2017年春の試験で、応用情報処理技術者試験を初めて受けて合格できたので、その時の具体的方法をここで紹介します。
私は社会人で、夜10時頃まで仕事ですが、それでも勉強を初めて2ヶ月ほどの勉強で合格できましたので、その時の具体的な方法を紹介したいと思います。
応用情報技術者試験とは
(出展:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験制度:試験区分一覧)
応用情報技術者は、年に2回春と秋に開催される国家資格試験です。合格率は20%と低めですが、そもそも受検に行かない人も含んでいるため、見た目以上には合格率は低くないです。なので、試験に向けてちゃんと対応できれば、それほど難しいという感触はありません。とはいえ、ちゃんとやっていなければ、当然合格はできないので、しっかりと対策をしましょう
応用情報技術者の試験範囲
出題範囲は、大きく分けて、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つに区分されます。
テクノロジ系では、情報理論、アルゴリズム(プログラミング)、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、セキュリティなど技術知識が主なもの。
マネジメント系・ストラテジ系は、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント企業と法務、経営戦略、システム戦略など、管理者向けのもの主なものです。
いきなり広範囲な出題範囲だと感じて、心が折れてしまうかもしれませんが、着目するべきポイントは実はそれほど多くなく、社会人でも一から勉強して合格はできます。ここで諦めないでください。
対策しなくても簡単に合格できる、は嘘
世の中には、勉強しなくても合格できたとか、テキストを流し読みしただけで合格できたなどということを書いている方がいますが、それを鵜呑みにしてはいけません。
それを書いている人たちが騙しているということではなく、元から応用情報処理技術者レベルのスキルをもっているか、それに関わる仕事をしているため、そこまでの勉強が必要なかったというだけなのです。
その人達と同じ基準に立ってしまうのは大変危険です。ここはそういう言葉に惑わされず、しっかりと自分の能力を見つめ、対応しましょう。
試験時間や解くべき問題数を知る
受検するにあたって、試験時間や問題数を把握しましょう。何も知らないのに無闇に勉強しても、その勉強方法が試験に合ったものかどうかはわかりません。ルールも知らないのに、野球やサッカーの練習ってできないですよね。それと同じです。まずはルールの把握です。
試験は、午前と午後に別れます。午前は4択問題で、午後は記述式です。午前は、2時間半で80問の問題を解く必要があります。1問につき、大体1分半〜2分ほどですね。結構時間がないことがわかりますね。でも、ご心配なく、午前対策を取れば、それほど難しいことはありません。むしろ、時間が余ります。
午後は、11問からの5問選択します(ただし、1問は必須)。大体1問30分くらいですね。午後は長いようで、午前と異なり時間との勝負になります。1問を30分以内で解く練習が必要です。
午前問題対策
ひたすら過去問を解く
午前は、選択式で知識を問う問題です。基本的にはひたすら知識を詰め込みましょう。それには、手っ取り早く過去問を解くことが重要です。参考書を開いて、最初から読んでいこうとするのはやめましょう。無駄とは言わないですが、果てしなく効率が悪いです。参考書を読むのは、過去問を解く中でどうしてもわからない所があれば読むという時に使うほうが良いです。
テキストの必要性
結論から言うと、午前対策のためだけなら、参考書は全く必要ありません。私も最初に試験範囲を知りたくて買ったのですが、試験対策では全くと言っていいほど使わなくなりました。後から紹介する午後対策用のテキストのほうが圧倒的に重要です。
では、どうやって過去問をひたすら解くかというと、下記の「応用情報技術者試験ドットコム」にある「過去問道場」を利用するのです。スマホからでもできるので、何かしらの待ち時間や、空いている時間を使って、午前対策は可能です。
テキストを買うとしたら?
ちなみに、私が買っていたのがこのテキストです。広く浅くと言った感じで、応用情報技術者試験の試験範囲を理解するのには、とても適していました。
過去問も付いているので、ある程度の自分の実力もわかります。ただ、これだけでは物足りなさを感じます。
やさしい応用情報技術者講座 2017年版 (「やさしい講座」シリーズ)
- 作者: 高橋麻奈
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/12/27
- メディア: 単行本
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それでも買うとしたら、過去問をひたすら解くことに特化したテキストでしょう。
スマホやパソコンを使っては勉強にならない!という方がいたら、下記のようなテキストを買うことをおすすめします。
過去問だけならじつは無料で公開されている
実際のところ、過去問だけなら、公式ページで公開されているので、無料で過去問題を解くことができるんです。
でも、なぜお金を払ってまで、問題集を買うかというと、問題に対しての解説が付いているからなんです。解説が問題集の命といっても過言ではありません。もちろん、上で紹介した「応用情報技術者試験ドットコム」にも解説がついています。
解説を読むことで、より体系的に理解できるので、参考書を漫然と読むよりは、はるかに知識の定着がしやすくなります。
どうやって勉強した?
80%の正答率をめざそう
テキストでも、サイトでもよいので、そこでコンスタントに80%くらいの正答率できるようにひたすら問題を解きましょう。合格は60%を正解できればよいですが、本番は何が起こるかわからないので、心の安心のためにも、余裕で80%をとれるところまで頑張りましょう。
苦手な分野は切り捨てよう
やっていくうちに、自分の苦手分野がわかってくるかと思います。午前は午後と違って選択式ではないので、苦手な分野の知識もある程度はカバーする必要があります。ただ、本当に苦手な問題があったときは、思い切って切り捨てることも大事です。
試験を合格するためなら、100%である必要はないのです。60点取りさえすればいいのですから、全体の内20%を切り捨てても、残りの分野で80%正答できるのであれば、合格できるのです。自分の場合は、ストラテジ系などは、ほぼほぼ切り捨ててましたが、ちゃんと合格できました。
午後を見据えて、セキュリティ分野は80%正答率で
午後はセキュリティは必須科目です。午後の問題は、知識問題ではないですが、午前の知識をベースにしなければならないため、最重要で対策しておく必要のある分野です。「応用情報技術者過去問道場」では分野別に問題を解くこともできるので、セキュリティ単体でも80%解けることを目指しましょう。
午後試験対策
応用情報技術者試験の対策の大半は、午後試験対策になると思います。ここは重点的に対策を考えましょう。
午後対策用のテキストを買いましょう
午前ではテキストは不要と書きましたが、午後はテキストが必須です。とはいえ、午前と考え方は同じで、過去問をひたすら解くことができるテキストが必要になります。
特にオススメなのが、「応用情報技術者 午後問題の重点対策 (午後試験対策)」です。このテキストのいいところは、解説がものすごく詳細に書かれていることで、特に以下の点でとても役に立ちます。
- 問題を解く手がかりやヒントの見つけ方がわかる。
- 解答に至るプロセスが詳細に書いてある。
- 他にどのような解答例があるか、書きやすい解答を教えてくれる。
他のテキストでも良いと思いますが、上記のような重厚な解説があるほうが、圧倒的に勉強効率が上がります。午後問題に一番重要なのは、答えのある知識ではなく、文章を読んでどのように解くべきかというプロセスなのです。午後問題では、こうしたプロセスを身につけるための勉強だと思ってください。
2019応用情報技術者午後問題の重点対策 (重点対策シリーズ)
- 作者: 小口達夫
- 出版社/メーカー: アイテック
- 発売日: 2018/10/31
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自分の得意分野と苦手分野を把握しよう
テキストにあるすべての問題を解いてください。そうすると、自分の得意分野とそうでないものが分かるようになると思います。そこから、本番で選択する問題を選びましょう。できれば、5問+1問くらいは得意分野がほしいですね。毎年同じ難易度ではないので、難易度高めの時に選択する問題を「変える」事ができたほうが有利です。
自分の場合は、プログラミング、情報システム開発、組込みシステム開発、データベース、ネットワーク、システムアーキテクチャの中から選択することとし、マネジメント系やストラテジ系は、完全に除外していました。
情報セキュリティは必須になっているため、苦手であっても捨てることが出来ません。覚悟を決めて、平均点以上とれるように頑張りましょう。午後でも知識問題が多少出るので、午前対策がバッチリであれば、ある程度点数は取れます。
テキストは最低3周しよう
3周しようとは書きましたが、何度もやることが目的ではありません。 2周め以降は、わからなかった問題、難しかった問題を重点的に実施してください。自分の印象ですが、3周ほどやったときに、問題を解くことに慣れて抵抗がなくなってきた印象です。
私のやり方は、一度解いた問題に対してマーキングを行う方法です。問題を解いた後に、正誤によって下記のマーキングをしています。
◯:正解
△:考え方が間違っていたけど正解、もう一度解いたほうが良い正解
✘:不正解
「◯:正解」となる問題は、2周め以降は解く必要はありません。「△」や「✘」をもう一度解きましょう。もう一度解いて、正解にできれば、「◯」で上書きして、それ以降は、解く必要はありません。マークは自分の好きなものでよいですが、このように解かなくて良い問題がわかれば、効率的に勉強することが出来ます。
時間を意識しよう
問題を解くにしても、漫然とやってはいけません。試験は時間との勝負なのですから、ここでも時間をきっちりと測って、目標となる時間内に解けるように意識しましょう。これは、時間内に解ける練習にもなるし、本番でも時間のプレッシャーで頭が真っ白になることを避けることが出来て、冷静に問題に当たれます。
一つの目標は30分以内。見直しの時間を考えると、できれば、20分〜25分以内に解けるようになるのがベストです。スマホでも良いので、ストップウォッチを使って正確に時間を測りましょう。
本番間近になると、本番を意識して問題を解く
本番2週間前、すくなくとも1週間前には、必ず本番を意識して、模擬テストをやってみましょう。過去問題が公開されているので、それを印刷して2時間ほどちゃんとかけて、問題を解いてみましょう。できれば、ここ1・2年の物が良いですね。
自分の今の実力と、本番テストでの予行練習になります。ここまでくれば、知識よりも、いかにテスト慣れするか、ということが大事になります。点数に一喜一憂せず、テストを受ける練習に邁進してください。そうすれば、結果はついてきます。
過去問は以下でダウンロードできます。
問題の解き方
実際に問題を解くときに自分が意識したことを書きました。
問題は先に読む
文章題を全部読んで問題を解く人がいますが、とても非効率です。文章を読む前に、問題の(1)〜(2)を軽くを読みましょう。そして、文章を読んで、答えられる所まで来たら、問題を解きましょう。その後に、次の問題を読んでから、再び続きの文章を読みましょう。
ほとんどの場合、文章に出てくる順番に問題が書かれています。なので、文章と問題を同時に読むことで理解力も上がりますし、限られた試験時間で効率的に答えを出すことができるようになります。
文章の中に必ずヒントがある!諦めないで。
問題を解いていると、全くわからない問題に遭遇することも有ります。絶望的な気持ちになったり、心が折れますが、あきらめないでください。必ず文章の中にヒントが隠れているので、それを丁寧に探しましょう。
また、全く答えがわからないと思ったら、最初から文章を読みなおしてみてください。読み流していたところに、大きなヒントが書かれていることが有ります。時間がなく焦る気持ちがあって、最初から読むなんて時間がない、ということでも、最初からさらっとでも読んでみると、意外にすんなり答えがわかることが有ります。急がば回れ。慌てた時ほど冷静になってみると良い結果が生まれます。
マジで何にも分からない時も絶対に何か書く
何も書かなければ0点以外にありませんが、何か書いていれば、奇跡の1点があるかもしれません。間違っていても減点はないので、何かは必ず書きましょう。間違っていると思っても、とりあえず書いていれば何かが生まれます。
ああ読み間違い。凡ミスを減らそう
自分は問題を読み間違って解いてしまう凡ミスを結構やってました。とってももったいないことだと思います。凡ミスを減らすだけで少なくない点数を稼げます。
問題の読み方が合っているか、冷静に読み返してみましょう。
短期間に合格するための裏ワザ的方法
仕事で忙しい社会人でこの試験に合格しなければならない場合、より効率的な対策が必要です。そこで短期間に高確率で合格するための裏技的な方法を教えます。
マネジメント系・ストラテジ系に焦点を絞る
満点を取るのは難しいですが、実は安定して得点することができるのがこの分野。知識がなくても、問題を読めばなんとなくわかるので、平均点を取りやすいと言われています。
テクノロジ系の問題は 分かる人には簡単ですが、分かるまでの勉強時間が必要になります。手っ取り早く合格だけしたいのであれば、マネジメント系・ストラテジ系に焦点を絞るのが最も効率が良いです。
まとめ
応用情報技術者試験は、午前と午後があります。
そして、それぞれで対策方法が違います。
午前対策:
- ひたすら過去問を解き、80%正答率を目指す。
- テキストは不要。(応用情報技術者過去問道場を使う)
午後対策:
- 過去問題集+解説がたくさんあるテキストを買う。
- 時間を意識して勉強する。
- テキストを最低3周する。
自分なりの勉強法・自分にあった方法を探して見るのが一番よいです。今回紹介した方法がすべての人に当てはまるとは考えていません。やはり、一人ひとり異なるので、それぞれの勉強法があると思います。
でも、そのヒントにはなると考え、ここにまとめてみました。誰かの助けになれば幸いです。
このブログを読んださる方は 、真剣に試験に向きあおうとしている証拠かと思います。絶対合格できます。大丈夫です。応援しています。
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