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一条工務店の自由度の無さは弱点?「一条ルール」は実は強みだと思う4つの理由

一条工務店のブログを読んでいると、”一条ルール”と呼ばれる間取り上の制約について書かれているブロガーさんはたくさんいると思います。1階と2階が同じ大きさ(総二階)にする必要があったり、窓の数や壁の数の制限などさまざまなものがあり、一条工務店の設計士も把握していないほど多くあります。

一条工務店ブロガーさんの中では稟議(=できる・できないを本部に確認すること)を上げて何とか工夫して間取りを作成されていることをブログで紹介されていることもありますが、通常そこまでしてもルールを逸脱できることは少ないと思います。

限られた日数の中ではなかなか難しいですね

これは一条工務店は間取りの自由度がない、間取りを思った通りに作れない、といった不満点として語られることが多いです。自分も一条工務店のダメなところとして以下の記事でも紹介しています。

ただ一見すると一条工務店を選ぶ上でのデメリット・弱点のような部分が、実は考えようによっては弱点ではないし、むしろ強み(メリット)にもなりえると考えるようになりました。そのことについて今回は「一条ルール」は実は強みだと思う4つの理由を紹介させていただきます。

目次
家づくりを始める方に読んでほしい記事

これから家づくりを始めるという方にまず読んでいただきたい記事です。
複数のハウスメーカーから間取り提案資金計画一括資料請求する方法について紹介しています。

家づくりを始める方に読んでほしい記事 >>

一条ルールとは

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一条工務店の間取りを考える上での制約やルールのことです。基本的には設計士の裁量だけでどうにかなるわけではなく、原則的に逸脱は不可です。稟議という形で打ち上げて承認されればルールを逸脱することも可能になることもあるようですが、その手間を考えるとルールを順守するほうが設計士と施主の双方が楽なのでよほどやらないと思うようなものです。

もちろん他のメーカーでもあると思いますが一条工務店はブロガーさんが多いので余計に顕著だなと思います。詳しくは他のブログを参照してもらうこととして、例えばi-Smartの例ですが、「1階と2階の間取りサイズを同じにしなければならない」などもあります。バルコニーなどを考慮するとまた複雑になるのですが、このように家の形そのものについても規定が多く、結果的に似たような間取りになることもあります。

また、耐久壁を入れるために壁の最大サイズが決められていたり、そこに窓を入れることができないなどがあり、自由に間取りを検討する場合は注意が必要になったりします。この辺は設計士さんがツールを使いながら検討するようなので、机上でOKそうでもツールで計算したらNGだった、などということがあります。

一条ルール(抜粋)
  • 総二階にしないといけない
  • 部屋の幅が5マス以内
  • ロスガード(換気)は各部屋の掃き出し口から14マス以内
  • 各部屋の大きさにより窓の数の上限がある(8畳以下なら2つ、8~12畳なら3つ、12畳以上なら4つ)

 ロスガードの設置場所については以下の記事でまとめています。

なぜ一条ルールがあるのか

当然ですが、自由に間取りを作れたほうが良いということは当然です。一条工務店も何の理由もなく一条ルールを設けているわけではないはずです。僕の推測にはなりますが、おそらく以下のような4つの理由からルールを設けていると思います。

  1. 耐震性能の高い間取り設計のため(構造計算の時間短縮)
  2. 高気密高断熱のため(窓の制約)
  3. 価格合理化=コスパのため(総二階など)
  4. 設計士レベルの平準化

4つ書いていますが、簡単に言うと、早く・安く・品質良く家を作るために一条工務店が設けている必要なルールだということです。以下、詳しく説明します。

理由①耐震性能の高い間取り設計のため(構造計算の時間短縮)

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一条工務店では「構造計算(耐震性能評価)」を実施しています。

「構造計算」とは、家の頑丈さを計測することです。建築基準法で決められていますが、一般の二階建て木造住宅では不要とされています。なので実施していない住宅メーカーも少なくありません。大手のハウスメーカーであっても国から型式適合認定を得ることで構造計算を省略していることが多いです。

ただ、地震に強い家であることを確かめるためには構造計算をする必要があります。なので構造計算をしない=地震で倒壊する可能性が高い、ということになります。もちろん、計算しなくても倒壊しない家を建てることはできるかもしれませんが、それについて数値的な保証は何もない状態になります。

では住宅メーカーが構造計算しないのはなぜでしょうか。理由は簡単で、時間とお金がかかるからです。構造計算は自分たちではできないため専門の機関に依頼しており、1回計算するだけで20~30万円のコスト増になります。また期間は2~3週間もかかることもあるようです。間取りを変更するたびに計算していたら費用や時間がいくらあっても足りませんね。なので構造計算をしない、ということが多くなるのです。(参考:木造の構造計算って!? 「日本一わかりやすい木造の構造計算の解説」

一条工務店では自社で実施しているようなので大幅なコスト増を回避しています。それであっても計算に数日ほどかかるので間取り修正から構造に問題なしとするのに時間がかかってしまいます。また費用も無料というわけではないため、何度もそのようなことを行うことはメリットはありません。

そこで、決まったルールを設けて構造計算しなくてもある程度大丈夫であるようにしているのです。これは社内の作業量削減であると同時に、設計士や顧客がルールの範囲内で自由に間取り設計をできるよう、寧ろやりやすくしてくれます。

これは地震の強い家を作るという観点で見たとき、時間とコストを最小にするための一条工務店の強みであるといえるのではないでしょうか。

他の住宅メーカーが構造計算を法律の穴をうまくすり抜けて省略する中、愚直に構造計算をしているということは素晴らしいと思います。そして地震に強い家を作るためにはそういう姿勢がとても信頼できることだと思いますし、だからこそ一条工務店のそれが強みだと思います。

理由②高気密高断熱のため

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一条工務店はハウスメーカーの中でもトップクラスの高断熱高気密住宅を作っています。その代表的なものが窓です。一条工務店の窓は「Low-Eトリプル樹脂サッシ」というもので、窓の中ではトップクラスの断熱性能を持っています。ちなみにいうと一条工務店オリジナルの窓なので他社では使用できません。

これがどれだけすごいかというと、高気密高断熱住宅として名高い「スウェーデンハウス」の窓より性能が高いです。スウェーデンハウスでは複層ガラス内に「アルゴンガス」を使用していますが、一条工務店ではそれよりも性能の高い「クリプトンガス」を使用しています。これは「アルゴンガス」の1.8倍の性能があります。

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(参考:高性能窓&サッシ「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」

また、性能の高い住宅の代名詞のドイツと比べてみてもかなり高い性能を誇っていることが分かると思います。驚くべき一条工務店のこだわりといった感じでしょうか。

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(参考:高性能窓&サッシ「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」

ただこれだけ高い性能を持ちつつも、高気密高断熱の家を作るためには窓の大きさや数をできるだけ抑えたほうがいいです。壁には分厚い断熱材が入っていますが、窓は壁に比べると圧倒的に断熱効果が低いです。もちろん、一条工務店の窓は一条工務店オリジナルの「Low-Eトリプル樹脂サッシ」であり、業界トップクラスの性能を誇るものではあるのですが、それでも所詮は窓です。壁の1/4しか性能がありません。

極端な話をすると、自由に壁に穴をあけたりすると、断熱も気密も低くなるのは当然ですよね。そんなことをさせないようにしているのが一条ルールです。一条工務店では一部屋における標準の窓の数を制限しています。部屋の大きさによって、標準内で2つだったり3つだったりと決まっています。また、他の部屋で付けなかった窓を他の部屋につけるなんてこともできません。ただ追加コストを払えば窓を追加することができます。

例えば他社で可能な大開口の窓や南面を全て窓にするなどのようなことは一条工務店では基本的には無理です。これは様々な理由があるとは思いますが、一つには断熱気密性能を保つためでもあると僕は推測しています。

一条工務店は高気密高断熱の家を建てたいという施主の願いをかなえるハウスメーカーです。高気密高断熱となる間取りになるようにルールを設けるのはむしろ当然ですよね。このルールさえ守っていれば、高気密高断熱な住宅となるようになっているのです。

理由③価格合理化=コスパのため

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一条工務店のコスパはすごいです。

耐震性能・ 高断熱高気密住宅という高性能な家は基本的にはコストが高めになる運命にあります。スウェーデンハウスやウェルネストホームなどももちろん高断熱高気密住宅がありますが、やはり坪単価は高めです。

一条工務店:坪単価70万円

スウェーデンハウス:坪単価90万円

ウェルネストホーム:坪単価110万円

一条工務店の坪単価は高気密高断熱のメーカーの中でも群を抜いて価格が安いですよね。これらのメーカーは高気密高断熱の家を作るというテーマは共通していますが、一条工務店はその中でも顧客に低価格で提供する、ということを重視しているように思えます。

こんなことができるのは住宅設備についてもオリジナルを作ることで格安で提供しているからです。キッチンや洗面台、風呂はもちろん、窓や外壁まで自社生産です。普通は住宅設備と言えばリクシルとかパナソニックとかTOTOとか設備専門のメーカーから購入するのが一般的ですが、一条工務店でそれらを全て自社開発することで低コストを達成しているのです。

逆にいうとオリジナル以外を採用することは実質できず、オリジナルの中での選択肢も少ないため自由度が極端に低くなります。当然、窓や外壁なども自社生産のため、それを使う前提で設計されているので、他社製の大きな開口窓を採用する、ということなども全くできません。でもそのデメリットを超えるほど、コスパが良くなっています。

一条工務店のポリシーとしては、自由度が多少犠牲になるとしても、低価格を貫き高性能な家を獲得しやすくしているのだと推測しています。どんなに性能のいいものがあるとしてもそれを採用できなければ意味がありませんね。手に入る範囲に選択肢としてあることが重要なのです。そのために一条工務店が存在するとしたら、多少の自由度のなさはそれほど問題ではないのではないかと考えることができないでしょうか。

(とはいえ、もちろんローコスト住宅というわけにはいきません。他のメーカーで一条工務店と同等の家を作るとすると価格は高くなる、という意味のコスパと理解ください。)

理由④設計士レベルの平準化

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建築士一人一人のレベルがまちまちだけどルールを設けることで一定水準以上になるようになっていると思います。

一条工務店で間取り設計した人はわかるかもしれませんが、一条工務店自作の間取り上でルール違反していないかを計測するツールを使って、設計士はその場でその間取りがルールに沿っているかを確認しています。これは設計士がルールを把握していないとしても、自動的に問題ないかどうかを確認することができるのです。

最終的にはフィリピンで構造計算をするのですが、ある程度OKであるということはこのツールを用いることで簡単に確認することができます。このようなツールを作成するためにもルールは厳密に数値化できるものが必要になります。これが一条ルールの正体でもあります。

  1. 耐震性能を上げる間取り
  2. 高気密高断熱になる間取り
  3. 価格を抑える間取り

これらは一条工務店として押さえておくべき項目です。それをもし設計士個人の力量に任せるとしたらどうでしょうか。ある人は自由に設計しすぎて耐震性能が下がってしまうかもしれません。ある人は、価格が高くなりすぎるかもしれません。そんなことを許してはいけませんよね。

設計士によってこのいずれかを達成できない家を作るということはまさに、一条工務店の一条工務店たる部分を失うことに等しいのだと思います。もちろん建築士の方の技量を信頼しないわけではないと思いますが、そのレベルの最低ラインを底上げするためには一定のルールが必要になるのだと思います。 

これがあるからこそ、設計士のレベルをあげられるし、施主も安心して任せることができるのだと思います。

自由度の無さは弱点なのか

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一条工務店の間取りには多くの制約があります。

これは弱点でしょうか。僕の解釈としては一条工務店の特徴であって弱点ではないと考えています。なぜならルールに従うだけで高性能な家を作れるということは、それを求める人にとっては大きな強みだからです。

一方、性能を犠牲にしても自由な間取りにしたいという人には確かにデメリットにはなると思います。ただそれはその人が一条工務店の特徴と相入れなかっただけと言えるのではないでしょうか。

また性能を高めつつ自由に設計することも理屈としてはできます。そういう住宅メーカーも確かにあります。ただし性能=価格です。性能を上げたがゆえに価格がネックとなり、あれもこれもあきらめざるを得ない、ということでは本末転倒です。それは自由なようで自由ではないですよね。その意味でコストを抑える一条工務店という選択肢は心強い助けになると思います。これは住宅メーカーとしては弱点ではなく強みだと僕は思います。

まとめ、一条ルールは顧客のためにある

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一条工務店は技術的に自由な間取りにできない、というわけではなく、敢えてしていない、と僕は考えています。

それは一条工務店が、地震に強い・性能が高いことを価格で諦めずに家を購入できる人をより多く増やすために敢えて設けている制約であると思います。それはとりもなおさず、顧客のために大切なことを重視している結果であると僕は考えています。

他のハウスメーカーでは自由な間取りができるかもしれません。好きな設備を入れられるし、大きな開口窓を設置できるかもしれません。もちろん自由な間取りができるに越したことはなく、その方が顧客にとっても喜ばしいことに思えます。(僕としてもそのほうが本当に良いと思います。)

でも、壁の少なさは耐震性を犠牲にしていることも多分にありますし、大きな窓は高気密高断熱を台無しにしてるかもしれません。そこは買う側には見えにくいことですし、敢えて言わないケースもあるかもしれません。

でも一条工務店は分かりづらい、耐震、高気密高断熱などの地味な部分にものすごく拘っています。顧客に間取りの自由度がないことを不満に思われようと、信念を曲げることはないと思います。

技術的進歩により、ルールが改変されて自由度が上がる部分もあるかもしれませんが、上記の信念を曲げてまでルールを変えることはないでしょう。だからこそ、買う側は性能を担保できるし、住んだ後でも満足を得ることができるのだと思います。

念のため言いますが、一条工務店から1円たりともお金はもらっていません。個人的には本当にすごいハウスメーカーだなと純粋に思っているので、擁護する記事を書いてみました。

もちろん一条ルールが合わない人、一条工務店の価値観とは合わない人はいると思います。当然、何を快適と考えるかはひとそれぞれなのでそこを否定する気はありません。ただ、一条ルールは性能を求める人にとっては大きなメリットにもなりうるということがお話ししたいことでした。

拙文をお読みいただきありがとうございます。

みなさんのお役に立てれば幸いです。

僕が一条工務店を選んだ理由は家が暖かく涼しいこと。それ以外にも7つの理由があります。詳細は以下の記事をご覧ください。

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