どうもなすくすです。
今日は住まいについての悩ましい問題について考えていきたいと思います。
いきなりですが、住んでみて後悔したポイントってありますか?
家は3回建てて理想の家になるといいます。誰しも後悔や失敗があると思います。
実際に住んでみてから、わかったこと、失敗だったということってあると思います。僕の家も現在建築中なので、これから予想していない部分での失敗があるのだろうなと考えています。
間取りの一番の失敗は収納!
特に、間取りの失敗で多いとされているのが、収納のつくりについての失敗です。収納の形や、出し入れしやすいかどうか、収納スペースが十分かどうかで、後悔することが多いのです。
先輩136人の「しまった!ランキング」でわかった、失敗しない間取りのつくり方【SUUMO住まいのお役立ち記事】によると、収納の作りで失敗が一番多いようです。そのくらい、収納については悩ましい問題です。
注文住宅を作る際に、一番悩ましいのが、どのくらい収納場所を作ればよいかということだと思います。収納は足りているのか、どのくらいあれば満足できるのか、難しいと思います。
特に収納が足りない、ということになると今後の生活のしやすさに直結すると思うんです。なので、収納はどれだけあれば満足なのかを客観的に知る必要があります。そこで、収納率という考え方を見ていく必要があります。
理想の収納率
収納率とはいったい何でしょうか。以下のような説明があります。
収納率とは、一般的に、住宅の床面積に占める収納面積の比率のこと。家族構成や生活様式によっても異なるが、例えばマンションでは収納率8%~10%が、また一戸建て住宅では収納率13%程度が標準といわれている。(出展:収納率 とは | SUUMO住宅用語大辞典)
また、以下の記載もあります。
マンションという限られた空間内で、すっきり快適に暮らすには、整理整頓が大切です。整理整頓のカギを握るのがマンションの収納率。収納率とは建物の専有面積に対する収納スペースの割合を表す数字で、マンションでは8%以上、一戸建てでは10%以上が望ましいと言われています。
(出展:https://www.athome.co.jp/contents/hint/detail/pi3tq600000002qw/)
要するに、収納率とは 家の広さに対して、収納が占める割合のことですね。標準的な目安が、
マンションであれば、8~10%
一戸建てだと、おおよそ10%以上、できれば13%が理想とされているんですね。中には15%必要というところも。
ただ、数字としての収納率で書かかれるといまいちピンときませんね。
例えば、32坪の家を考えてみた場合に、その10%は3.2坪=6.4畳ほどです。家全体のうち、6畳もの広さを収納で占めるということになります。6畳というと、個室として十分な広さですよね。結構広いです。
ちょっと広すぎないか、と思うかもしれませんので、もう少し具体的に見るために、我が家の収納率を計算してみます。
収納率の計算方法
ちょっとその前に、収納の定義を決めておきます。
収納率を算出する際に「収納スペース」とすることができるのは、高さが180センチメートル程度あるスペースのみ。例えば押し入れや納戸、ウォークインクローゼットなどがこれにあたります。床から天井までのすべての空間が収納に使えるスペースと考えておけば間違いないでしょう。一方、床下収納やつり下げ棚、下足入れなどスペースの高さが180センチメートルに満たないものは収納率算出時の「収納スペース」には含まれません。
https://www.athome.co.jp/contents/hint/detail/pi3tq600000002qw/
ここで収納としてカウントされるのは、床から180cmまでの高さがあるものだけです。押入れやクローゼットは当然収納になりますが、腰までの高さの収納などはすべて対象外になります。 キッチン周りなどの背の低い収納(カップボードも)は収納としてカウントされないようです。
この定義で決められている収納だけをカウントして、我が家の収納率を計算してい見ます。
我が家の収納率を計算
ではさっそく我が家の収納率を計算してみます。計算方法ですが、90cm✕90cmを1マスとして、計算していきます。
赤枠の部分が我が家の収納部分です。
押入れは奥行が90cmで、幅が180cmくらいあるので、2マスとします。クローゼットの場合は奥行が60cmで、幅が押入れと同じ180cmになるため、2✕2/3=4/3マスとなります。
それぞれの収納の大きさを計算
それぞれの部屋の収納量を計算します。
- 玄関の収納 = 1
- LDKのパントリー = 2/3
- 廊下の収納 = 3
- ホールの収納 = 3/2✕2/3 = 1
- 子供部屋(西)クローゼット = 4/3
- 子供部屋(西)本棚 = 2/3
- 子供部屋(東)クローゼット✕2 = 4/3✕2 =8/3
- 子供部屋(西)本棚 = 2/3
- 主寝室の押入れ = 2
- 主寝室のクローゼット = 4/3
我が家の収納量の全てを合計
家全体の収納量は、先ほどのそれぞれの収納の合計値になるので、全て合計します。
収納量 = 1+2/3+3+1+4/3+2/3+8/3+2/3+2+4/3
= 14.333マス
我が家の収納量は、14.333マスということになります。
結果、我が家の収納率はどうなった?
家全体の面積 = 136.5マス
収納率 = 収納量 / 家全体の面積
= 14.3333 / 136.5
≒ 10.5%
我が家の収納率は、10.5%ということになります。
理想的な収納率が、10%以上なので、我が家の収納量はぎりぎりといったところです。将来、収納が不足する可能性が高いですね。
収納スペースの数は、10個ほどもあるので、結構収納スペースがあるかと思いきや、全体としては10%程度ということになります。理想的な収納率を考えると、もう一つくらい押入れを作る必要があるかもしれません。
収納不足を補う我が家の対応策
我が家の収納率は10.5%ということが分かりました。絶対的に不足しているわけではなく、設計士さんからも十分だと思いますよ、ということでした。10%以上あれば、ひとまず安心してもよいかもしれません。
ただ、僕としては少し不安でした。実は目標としていたのが、12%以上。少し足りていません。あと1.5%ですが、広さとしては1畳は必要です。
しかし、部屋の大きさ、収納を置く場所と、予算の折り合いをつけると、これ以上は収納を増やす余地がありませんでした。仕方がないので、最終手段として、小屋裏収納を付けました。
我が家では、5畳ほどの小屋裏収納を作っています。ここに収納できるのであれば、不足分を補って余りある収納になるでしょう。
ただ、小屋裏収納を普段使いの収納として考えるには、しまいにくさ取り出しにくさなどあり、いろいろ難があるので、やはり、小屋裏収納を含めない収納率を本当は目指したほうが良いと思います。
もう少し収納として認めてあげれば少しは収納率が上がる?
ただ、他の収納を含めると結構収納率は低くないのではと考えています。例えば、以下の絵を見てください。青枠を追加しています。
青枠は、収納の定義としては外れますが、収納として新たにカウントしたい場所です。これらは高さ180cmの条件からは外れていますが、収納としては立派に収納力を誇る場所です。家を作るうえであらかじめ設置される収納です。
これをカウントしてあげないのは忍びない(というか収納率をもう少し高く見積もりたい、だけですが)。
ここでは青枠収納と呼んで、ここを入れたうえで、再度計算してみます。きっともう少し高めの収納率になるのでは・・・。
青枠収納のそれぞれの収納量を見積もってみる
それぞれの収納を計算します。計算方法が特殊ですが、収納として使える量をざっくりと出しています。
玄関の土間収納 : 2マス(180cm✕90cm)
土間収納スペースを全て収納としてカウントします。
玄関シューズウォール : 1マス(180cm✕45cm)
玄関のシューズウォールは、壁一面が収納のタイプです。ここも収納としてカウントします。
LDKのテレビボード : 1.25マス(225cm✕45cm)
左右と上部の収納と、下部の収納を合わせて、壁面収納としてカウント。テレビ部分も計算が面倒なので、収納としてカウントしました。
キッチンのカップボード : 1マス(上部:180cm✕45cm+下部:180cm✕60cm)
カップボードは上下に収納が分かれていますが、全て収納としてカウントしてみます。上部を1/3、下部を2/3として計算します。上部=1✕1/3、下部=4/3✕2/3。足し合わせると、1になります。
洗面室の収納:1マス(180cm✕45cm)
細かく計算すると嘘ですが、ある程度ざっくりでここは計算します。
トイレの収納:0.5マス(180m✕45cmの半分)
青枠収納の合計は?そして収納率は?
合計すると、2+1+1.25+1+1+0.5=6.75マスになりました。
これを、最初に計算した収納量のくわえてみます。
赤枠収納+青枠収納
=14.333+6.75=21.083マス
全ての収納の合計は、21.083マスとなります。
これを収納率にすると
家全体の面積 = 136.5マス
収納率 = 収納量 / 家全体の面積
= 21.083 / 136.5
≒ 15.4%
収納率は一気に、15.4%になりました!!
ちょっと無理やり感ありますが、理想的な15%の数字になっています。実際の定義とは違うので計算結果自体は自己満足の域を出ませんが、収納に困るほどではないのでは?と自分を満足させればそれでよいかな・・・と思える数字でした。
収納率だけではない大事な視点、収納効率について
収納スペースが家全体の広さのうちどのくらいあるか、ということを今まで見てきました。そこで収納率が15%あれば、理想の収納率だという話もしました。
ただ、それだけでは収納の本当の姿を見たことには、実はありません。そこには、収納率だけではなく、収納効率という考え方も見ていく必要があります。
ウォークインクローゼットは実は収納効率は悪い
収納効率というのは、収納スペースのうち、どのくらいが収納として活用できるか、ということを意味しています。例えば、以下の絵を見てみてください。
上は、普通のクローゼットで、下がウォークインクローゼットです。
赤枠が収納できるエリアを占めてしています。普通のクローゼットは収納スペース=収納できるエリアです。一方、ウォークインクローゼットは、入口(左側)から入って両脇が実際収納できるエリアになります。
こう見てみると、普通のクローゼットはほぼ100%の収納に使うことができますが、ウォークインクローゼットは66%ほどしか収納に使えていません。実のところウォークインクローゼットは収納効率が悪いのです。
上の絵のウォークインクローゼットは、2畳あるのですが、収納効率を考えると、1.33畳ほどしか実際は収納に使えません。それ以外は、通路としての役割となっています。
なので、収納率はウォークインクローゼットのほうが高くなるのですが、実際に使用してみると、60%ほどしか収納はできないのです。これはウォークインクローゼットだけではなく、納戸を収納として使う場合も同じです。
収納を考える上では、どの部分が収納として使えるかということも同時に見ていく必要があるのです。ウォークインクローゼットは様々なメリットがありますが、意外にモノが入らない、ということも注意する必要があります。
まとめ
収納について考えてきたことをまとめてきました。
理想的な収納率は、10~15%ほどです。
10%でも十分な収納がありますが、13~15%は、より理想的な収納率です。
ちなみに我が家の収納率は10.5%ほどでした。
また、収納効率も考えると、ウォークインクローゼットは意外に収納できないということも考える必要があります。
収納について、みなさんの参考になれば幸いです。
我が家には1.5畳のウォークインクローゼットが実はあります。1.5畳という狭いWICを1年使ってみて良かった点について以下でまとめています。
参考文献
ウォークインクローゼットが意外に収納できないことについては、以下の本を参考にしました。図解が入っていて読みやすく、単純に面白いので、家の間取りを考える上ではとても参考になります。
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