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子どもにお小遣いをあげても大丈夫な理由と親が守るべき5つのルール

「子どもにお小遣いをあげるのはNG」と言われることがあります。

子どもとお金と関係性については育児において大きなテーマです。そのため様々な人が本や記事を書いているわけですが、僕が読んだ限りでは、お小遣いは上げるべきではないという意見が多いように思います。

お小遣いNG側の主張としては、お金は労働の対価であり無条件にお小遣いを上げることは労働の対価という意識をなくさせるというのです。なので、家事や手伝いに対しての報酬としてお小遣いをあげようと書かれていることが多いです。

こうした主張はもっともらしいですが、本当に子どもにお小遣いをあげることはNGなのでしょうか。

この疑問を解消するためにいくつかの本を読み、僕なりの答えとなるものを得られました。もし同じ疑問を持っている方がいれば、参考になるかと思いますので、ここに共有させてもらいます。

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結論:お小遣いはあげてもいい

長いのでまず結論からいうと

お小遣いはあげてもいい

というのが僕の結論です。

理由は

お小遣いをあげてもあげなくても子どもの成長に良い面も悪い面もあるから

ただ、以下の点には注意しましょう。

  1. 子どもに守らせるルールは単純でわかりやすく
  2. 子どもと決めたルールは必ず遵守する
  3. 何を買うかは子どもの自由に任せる
  4. 現金を使う
  5. お手伝いとお小遣いを切り離す

これは「おカネの天才」の育て方で紹介されているルールをわかりやすくまとめたものです。以下はこの本を参考にして紹介します。

詳しくは以下で説明します。

お小遣いはいつからもらう?いくらもらっている?

知るぽると「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」の調査によると、小学生のころから8割ほどの子どもはお小遣いをもらうようです。さらに無条件にもらっている中高生が7割を超えるようです。小学生以上になるとほとんどの子どもがお小遣いをもらっていることになりますね。

ではどのくらいの金額をもらっているのでしょうか。先ほどの調査結果から引用します。

・最も多い回答(最頻値)は、「月に1回」もらう場合で 500 円、「ときどき」もらう場 合で、低学年と中学年は 100 円、高学年は 1,000 円となっている

小学生のうちは、金額としてはそれほど大きくはないですが 500円から1000円くらい。

・中学生の1か月のおこづかい額は、最頻値は 1,000 円、平均値は 2,536 円。
・高校生の1か月のおこづかい額は、最頻値は 5,000 円、平均値は 5,114 円。

調査結果から見ると、小学生のころからお小遣いをあげている人が多く、中学・高校と年齢が上がるごとにお小遣いの金額も5000円ほどと大きくなるようです。

当然のことながら、みんなが子どもにお小遣いをあげているからあげるというのはナンセンスです。本当にお小遣いは必要なのか。当たり前を疑っていきましょう。

子どものお小遣いは本当に必要か?

子どもの頃からお小遣いをもらっている方からすれば、お小遣いを子どもにあげることに抵抗感はないのではないでしょうか。

たた、子どもにお小遣いをあげることは当たり前でしょうか。その思いとしては、様々あると思いますが、お金を小さいうちから使うことで、以下のようなことを期待しているのではないでしょうか。

  • お金の使い方を学べる
  • お金を管理できるようになる

子どもにお小遣いを与える場合、それが本当に期待している上記のような効果が得られているのでしょうか。どのような効果が得られているかについて、いくつかの本から抜粋してみましょう。

かわいい子には「こづかい」をあげるな! 」や「お金のこと、子どもにきちんと教えられますか?」など、子どもとお金に関する本の多くでは、お小遣いを無条件に与えることの弊害を主張しています。

これらの本では特に、お金=労働の対価であるということを、子供たちに教えなければならない、と書かれています。まず、働くことが先にあってそれでお金をもらえるという図式にしないと将来働くことに対する認識やお金の管理で失敗するという結論です。

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しかし、一方で全くお金をあげないというわけではなく、家事を手伝うなど働きがあればそれに従ってお小遣いをあげる、ということは良いようです。無条件ではなく、前提条件付きでのお小遣い制度ということは特に問題視されていないようです。

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ただし、これらの主張については、科学的な調査や結論があるわけではなく、価値観や経験に基づくものでしかありません。なので根拠はなさそうです。言いたいことは何となくわかるけど・・・という感じですね。

お小遣いの有無についての研究結果ではとくに差はない

カナダの研究結果では、お小遣いをもらっている子どもはもらっていない子供よりもクレジットカードとお金についてよく理解していたそうです。一方で、イギリスの研究ではお小遣いをもらっている子ほど貯金が下手だったようです。

「おカネの天才」の育て方 」の著者べス・コブリナーさんは「お小遣いをあげるかどうかはそれほど重要じゃない。」と言います。

上記のようにお小遣いをあげてもあげなくても、それぞれにメリットもありデメリットもあるという研究結果が出ていることを示されているので納得です。べスさんもいろいろと自身で調べていったことで以下のように考えられたそうです。

お小遣いについてはそれぞれの親が正しいと思うようにするといい。その上で、子供に少しずつお金を与える方法として、お小遣い制は役に立つと思う。

無条件も含めたお小遣いに対してマイナスでもプラスでもない主張は僕が読んだ本の中では珍しい主張でした。科学的根拠も書かれているので、納得しやすいので僕個人としてはこの主張のほうがしっくりきます。

ただ、つづけて「ただし、ここに書くルールに従うことが条件だ。」ともおっしゃっており、お小遣いをあげる上で親が守るべきルールを守って、お金をうまく子どもの教育として活用しようと語っていることも注意したいです。

お小遣いを上げる上での親が守るべきルール

お小遣いをあげることは問題ないとしても、親が守るべきルールがあります。本の中では以下の5つを上げています。

  1. 子どもに守らせるルールは単純でわかりやすく
  2. 子どもと決めたルールは必ず遵守する
  3. 何を買うかは子どもの自由に任せる
  4. 現金を使う
  5. お手伝いとお小遣いを切り離す

①子どもに守らせるルールは単純でわかりやすく

子どもにいつどのくらいのお小遣いを上げるか。どこまではお小遣いで支払い、何を親のおカネで買うかを決めるルールを決めるということ。子どもが小さいうちは親が決めて良いと思います。その時に、子どもに理解しやすいルールで、親が判断しやすいルールである必要があります。そうでなければ、ルールが機能せず、守っているかどうかもあいまいになってしまいます。

②子どもと決めたルールは必ず遵守する

①で決めたルールを親が絶対に守るということ。親がルールを破れば、子どもに対する示しがつかなくなりますね。

③何を買うかは子どもの自由に任せる

ルールの範囲内であれば使い方について親が口を出さないようにしてください。でも、お金が足りなくなって買えなくなったからと言って親が補てんしてはいけないのです。これは②のルールです。

④現金を使う

これはお金の使い過ぎを防止するためです。大人もカードだと使いすぎてしまいますよね。

⑤お手伝いとお小遣いを切り離す

後で説明しますが、簡単に言うと子供に家事をやらせたければ、お金で釣ってはいけないということです。

お金は労働の対価?

お金は労働の対価です。

一見、納得しそうな主張ですが、妙な違和感があります。確かに働いたから、給料がもらえる。「働かざる者食うべからず」ということわざがある通りに、まず仕事があって、お金がもらえるというのは当たり前のことだと認識されています。

労働というと汗水流して働く、というイメージがありますが、本当にそれだけでお金がもらえるのでしょうか。一生懸命がむしゃらに働けば必ず儲かるのでしょうか。

その答えになるものが、「かわいい子には「こづかい」をあげるな! 」では以下のように書かれています。

実は今、お金は「労働」の対価ではなく、「貢献」の対価といったほうが正しい気がします。

「貢献の対価」という表現のほうが納得感はありませんでしょうか。労働というのは自分を含めた家族のための労働と誰かのための労働があると思います。後者は誰かへの貢献と表現できますよね。その中でお金が発生するのは誰かのためにした仕事になると思います。これが一番しっくりくる表現だと個人的には感じます。

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特にこれからの時代は、ただ無暗に何かをしていればよいのではなく、お金を得ることは人の役に立つことということが重要になってきます。子どもには「誰かに対する貢献=報酬」ということを考えられるようお小遣いについても考えていく必要があるかと思います。

お手伝いをお小遣いと切り離すべき

先ほどのルールの⑤は「お手伝いをお小遣いと切り離すべき」でした。これはどういう意味かというのをここでは説明したいと思います。

 まず、お小遣いは「労働の対価」であることを子どもに教えようと考えた場合、家事とお小遣いを結び付けようと考えがちですよね。でも、実はこれは子どもの教育上あまりよくありません。

お小遣いで子供を釣って、お手伝いやそのほかの親が望む行動をさせようとしても、逆効果になりかねない。多くの親はどうにかしたいと焦って、お小遣いを餌やご褒美にしてしまう。「ベッドメイクしなかったの?」バーン!お小遣いなしよ!子供が、別に10ドル損しても、ベッドをきちんとしたくないとか、門限を守るつもりはないとか言い出したらどうする?しつけはお小遣いを餌にしない方法でやろう。

日々やらなければならない家事に対する手伝いはむしろ、子供たち自身のためにも必要なこと。これについては仮に報酬がなかったとしてもやってもらわなくてはならないことです。

こういうことに対して報酬を与えてしまうと、自発的にやろうとすることに悪影響を与えてしまします。これを一般に「アンダーマイニング効果」と呼ぶようです。自発的にやろうと思っていたことに対してお金などの報酬が与えられると、報酬があるからやる、という気持ちに変わってしまい、報酬がないとやらなくなってしまうのです。

これを自発的にやっているかのようにうまくコントロールできれば良いのですが、お金で釣らないことが一番簡単なので使わないほうが無難でしょう。

家のお手伝いは当たり前のこと。余分な仕事はご褒美をあげていい。

ではどのようにお小遣いを上げるべきか。

家のお手伝いは家族の一員として当たり前のことと考えるべきです。親のためではなく、自分も含めた家族全体を支えるための活動としてやるべきなのです。

実はこうした活動は子どものその後の人生にとっても大きなプラスになります。

ミネソタ大学の研究によると、学位を取ったり、仕事に就いたりといった人生の大切な節目に到達できるかどうかは、幼い頃に家事を手伝っていたかどうかが一つの要因になると言う。

子どもに手伝いをさせることは将来に向けても大きな影響がありそうです。しかし、先ほどお話しした通り、家の手伝いにお小遣いをあげると逆に家の手伝いをしなくなってしまいます。

家族全体に対する日々の仕事については、お小遣いをあげるのではなく、生活の一部として当たり前にできるようになることを目指しましょう。

ただ、余分な仕事を子供にやってもらうのであれば、お小遣いをあげても良いです。例えば、家の納戸の整理とか、写真の整理を手伝わせるなど日常的にはやらない仕事に対してはお小遣いをあげて良いことになります。

とくに家族全体のことではなく、自分以外の誰かの役に立つことなどに対する対価としてお小遣いをあげましょう。これはまさに貢献に対する対価になりますね。

どの仕事が家族全体で、どの仕事はそうでないのか。その点についてはきっちりとした線引きはできません。それはすべての家族が同じ仕事が必要ではないからです。庭掃除が必要な家もあればそうでない家もあります。犬の世話もあれば、畑仕事もあるでしょう。それぞれの中で家族みんなの仕事と、個々人の仕事を分けることを考えましょう。

ひとつ気をつけたいのがお小遣いをいくら渡すかということです。その点については子供と一緒に決めていくのが良いかなと思います。

もちろん年齢が高くなるに連れて、頼む仕事も複雑で高度なものまで、いろいろありそうです。その場合も、その仕事に対する正当な対価を調べたり、友達はどうなのかを聞いてきてもらうのもらうのも一案です。

まとめ

結論です。

子どもにお小遣いをあげてもいいし、あげなくても良いです。定期的にあげても良いし、何かの報酬であげても良いです。

ただし、お小遣いをあげる場合は以下のことに注意しましょう。

  1. 子どもに守らせるルールは単純でわかりやすく
  2. 子どもと決めたルールは必ず遵守する
  3. 何を買うかは子どもの自由に任せる
  4. 現金を使う
  5. お手伝いとお小遣いを切り離す

とくに、日常的な家事の手伝いにはお小遣いという形ではやらないようにした方が良いです。ありがとうなど感謝の気持ちだけで充分な報酬だと思います。

それ以外の余分な仕事があれば、報酬を渡しても良いと思います。その場合には適切な金額設定を考えておくことも大切です。子どもに対して一方的に決めるのではなく、ルール作りも含めて、子供と一緒に決めるのが一番良いかなと思います。

これらは絶対的な答えではないとは思いますが、現状調べた中では僕として一番腑に落ちた考え方です。もちろん、そうではないという考えもあると思いますが、何かの参考になればと思い、共有しました。

参考文献

 子どもに必要なことは英才教育ではなく遊ぶことです。遊ぶことの重要性について記事にまとめています。

 学資保険って本当に必要でしょうか。僕が必要と思わない理由は以下で紹介しています。

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